第7教室:『ベラミ』     (モーパッサン)

膝関節損傷で引退した元英語通訳ガイドが書いています.専門家ではないのであちこち間違いだらけかと思います.その点ご承知おきの上お読みいただければ幸いです.よろしくお願いいたします.

語学学習日記(フランス語学習)『ベラミ』    (45)(モーパッサン)


ベラミ(45)
Bel-Ami
 (1885)
by Guy de Maupassant


——————————【45】————————————————

 Il  était  neuf  heures  un  quart.  Il  se  connaissait:
dès  que  le  verre  plein  de  bière  serait  devant  lui,
il  l' avalerait.   Que  ferait- il  ensuite,  jusqu' a  onze
heures ?

 
..——————————(訳)—————————————————

  9時15分だった.デュロワは自分の性向はわかって
いた.ビールがなみなみと自分の前で注がれると、間
違いなく一気に飲み干すだろう.それから11時まで
どうする?

 
——————————⦅語句⦆—————————————————
   
avalerait:[アヴァルレ](条件法3単) <avaler (他) 飲み込む、
   食べる、飲み干す 
      Il a avalé son verre de bière d'un trait.
      彼はコップのビールを一気に飲み干した.  


——————————≪文法≫—————————————————

今回の学習の眼目はこの文.
dès que le verre plein de bière serait devant lui,
il l'avalerait. 
コップ満杯のビールが彼の眼前に出されるや否や
彼は飲み干してしまうだろう.

条件法が使われています.なぜか?それは
前半dès que le verre plein de bière serait devant lui,
この部分が条件節と同じ働きをしているからです.
彼の前にビールがあったとしたら、

il l'avalerait. / 彼はそれを飲み干してしまうだろう.
これは単純未来ではだめなのか?だめです.単純未来
だとdès que le verre plein de bière sera devant lui,
il l'avalera. 彼の前にビールがくると、すぐさま彼は
それを飲むだろう.

これには「飲んでしまって後悔する」ニュアンスが
含まれません.「~になってしまうだろう」という
ニュアンスを作るには、やはり条件法が相応しいでし
ょう.