第7教室:『ベラミ』     (モーパッサン)

膝関節損傷で引退した元英語通訳ガイドが書いています.専門家ではないのであちこち間違いだらけかと思います.その点ご承知おきの上お読みいただければ幸いです.よろしくお願いいたします.

語学学習日記(フランス語学習)『ベラミ』    (46)(モーパッサン)


ベラミ(46)
Bel-Ami
 (1885)
by Guy de Maupassant


——————————【46】————————————————

 Il  passa: « J' irai  jusqu' à  la  Madeleine,  se  dit- il,
je  reviendrai  tout  doucement. »

 
..——————————(訳)—————————————————

  彼は通過した.「マドレーヌ広場まで行こう」と彼は
思った. 「それからまたゆっくりと戻ってくればいい
じゃないか.」


 
——————————⦅語句⦆—————————————————
      
passa:(3単単純過去) < passer (自) 通過する
reviendrai:(直現1単) < revenir (自) 戻って来る
doucement:(副)  ゆっくり、そろそろと

 

——————————≪感想≫ —————————————

passer に手こずりました.文脈からは「思う」「考える」
という意味だろうと、推量できるのですが、辞書には、
その意味が載っていません.たとえば、警察がこのひと
が犯人だろうと思っても、証拠がないから逮捕できない
ような状況です.
 訳本をみました.岩波文庫「ベラミ」では「考えた」
となっていました.まずは「考える」に1票獲得.
しかし新潮世界文学22では「歩き出した」.おそらく
「se dit-il」がすでに「考えた」なのでpasser を「移動す
る」にしたのでしょう.