第7教室:『ベラミ』     (モーパッサン)

膝関節損傷で引退した元英語通訳ガイドが書いています.専門家ではないのであちこち間違いだらけかと思います.その点ご承知おきの上お読みいただければ幸いです.よろしくお願いいたします.

語学学習日記(英語学習)エデンの東(47)


エデンの東(47)


———————————【47】——————————————— 
          
  Then the Americans came——more greedy because  there
were more of  them*. They took the lands, remade the laws to 
make their  titles  good.  And farmholds spread over the land, 
first in the valleys and then up the foothill slopes, small wooden
houses roofed with redwood shakes, corrals of split poles. 

 

———————————(訳)———————————————
              
    それからアメリカ人がやってきた——期待以上のもの
があったが故にスペイン人たちよりも貪欲であった.やっ
てきたアメリカ人たちは土地を手に入れ、その所有権を
確保するため法律を作り直した.農地確保は、その地全体
に及んだ.初めは渓谷周辺、次に山麓の坂道から丘にかけて、
農地は広がり、スギ材の屋根板で葺き、縦割りにした木材で
さく囲いをした小さな木造家屋が出来た.


———————————《語句》———————————————
           
greedy (形) 食い意地の張った、がつがつした、貪欲な   
title (U/C)  所有権、正当な権利、権利証書 
remake (他) ~を再び作る、作り直す        
foothill (C)  山麓  
redwood  セコイアスギ
shake   屋根板       
corral   さく囲い


———————————≪文法≫———————————————
        
And farmholds spread over the land...このあと動詞がないのに
small wooden houses roofed with redwood shakes, corrals of split poles. 
という語句が並んでいます.この語句にしてもおかしな語順です.
字義通り訳せば、「縦割りしたでできた冊とスギ材で葺いた屋根
の小さな木造家屋」ですが、冊が屋根の上にあったりはしません.
まあ、ここは前方のwith を併用していると解釈して決着します.
さて、では動詞がないのはどうしよう?
① 作者の書き忘れ説:世界的な名作にそのような不備が
  あるとは考えにくいが...
② 結果補語説:中国語を学習していると、ちょこちょこ出て
  くるのですが、「その結果~だ」というのを文末で単独名詞
  が出てきてがんばります.名詞が孤軍奮闘するのです.
  私たちも、この説を採用しましょう.そして見習いましょう.
  えらいわ、この名詞...
  農地が広がりました、その結果ポツンポツンと
  小さな木造家屋が建ちました.built という言葉は出てきま
  せんが、「結果補語」として働いているお給料でbuilt を
  付け加えましょう.
   まあまあ、<文法>コーナーとしての締めくくりは、この
  名詞は、外置構文(extra position) という文法項目に分類され
  るとだけお伝えいたします.


———————————【注意】———————————————
               
新しく略号を使いました(U/C)という記号です.クレジットカードでは
ありません.U は不可算名詞(数えられない名詞)、C は可算名詞です    .
両方つけているのは、その名詞は、状況や使い方によって、U 扱いに
なったり、C 扱いになったりします.蝙蝠が鳥になったり、獣になったり
するように.冗談はさておき、具体的に言うと、
 「tiltle (U/C) 所有権、正当な権利、権利証書」を使うときは通常
 「所有権」はあの土地に1つ、この土地に1つと数えることができ、 
  不定冠詞をつけても、語法上、正しい運用とされています.
 Mary has (a) title to the land.  
 メアリーはその土地の所有権を持っている.