第7教室:『ベラミ』     (モーパッサン)

膝関節損傷で引退した元英語通訳ガイドが書いています.専門家ではないのであちこち間違いだらけかと思います.その点ご承知おきの上お読みいただければ幸いです.よろしくお願いいたします.

語学学習日記(フランス語学習)『星』(7)

『星』(7)


——————————【7】—————————————————
                    
Enfin,  sur les trois heures,  le ciel étant lavé,*  la montagne 
luisante*  d'eau et de soleil,  j'entendis parmi l'égouttement des 
feuilles et le débordement des ruisseaux gonflés les sonnailles
de la mule,  aussi gaies,  aussi alertes qu'un grand carillon de
cloches un jour de Pâques.*
  
   
——————————(訳)————————————————————
                    
そしてとうとう、午後の3時頃、空の雨雲は洗い流され
山は水と太陽で輝き、葉から落ちる水滴の音と増水した
小川の溢れる音との中にラバの鈴の音が聞こえたのです。
まるで復活祭のときのような鐘の音のように陽気で溌剌
とした響きでした。

 

——————————≪語句と解説≫————————————————                     
*le ciel étant lavé: 動詞は~ant という形なので、現在分詞
  なのですが、この動詞の主語が主節の主語「je」とは別に
  「le ciel 」で作られています。 このような動詞句は分詞
  構文の独立用法、もしくは「絶対分詞構文」と呼ばれてい
  ます。そしてこの用法は頻繁に用いられますので慣れる必
  要がありそうです。(日常言葉でも頻出する表現です)
*la montagne luisante:これも絶対分詞構文です。 この主語は
  la montagneでluisant がその主語に性数一致する珍
  しい形をとっています。「luisante」。 
  こちらの対訳書の解説によりますと、
  「古い語法では稀に一致させた」 
  と書かれています。(「ドーデ短編選集」第三書房)
  概ね、19世紀の文学作品にみられるようです。