エデンの東(51)
—————————————【51】———————————————
I think* of Bolsa Nueva, a new purse; Morocojo, a lame
Moor (who was he and how did he get there ?) ;
Wild Horse Canyon and Mustang Grade and Shirt Tail
Canyon. The names of places carry a charge of the
people who named them, reverent or irreverent, descriptive,
either poetic or disparaging.
You can name anything San Lorenzo, but Shirt Tail
Canyon or the Lame Moor is something quite different.
The wind whistled over the settlements in the
afternoon, and the farmers began to set out mile-long
windbreaks of eucalyptus to keep the plowed topsoil
from blowing away. And this is about the way the
Salinas Valley was when my grandfather brought his wife
and settled in the foothills to the east of King City.
—————————————(訳)———————————————
「ボルサ・ヌエバは」「新しい財布」だと思う; 「モロコホ」
は「レーム・ムーア」(びっこのムーア)(彼は誰で、どうして
ここに来たかのか?); 「ワイルド・ホース・キャニオン」
(野生馬の峡谷)と「ムスタング・グレード」(ムスタング種
の馬)、そして「シャート・テール・キャニオン」(シャツの
シッポの峡谷).これら場所の名前は、畏敬の念があろうが、
なかろうが、見たそのままであろうが、詩的だろうが、軽蔑的
であろうが、それを名付けた人の告発を帯びています.
名前は、「サン・ロレンツォ」でも何でもつけることができるの
ですが、しかし 「シャート・テール・キャニオン」あるいは
「レーム・ムーア」は全く別物です.
午後になると、これら入植地には、うなるような風がピュー
ピューと吹きつけました.農家の人たちはユーカリの木を植え、
1マイルに渡る長さの風よけを作り上げたりして、耕した土壌を
吹き飛ばされないように守りました.そしてこういうやり方が、
我が祖父が妻と共にキングシティの東の山麓に入植した頃のサ
リーナス渓谷地方の習わしになっていたのでした.
————————————《語句》———————————————
Mustang Grade: 辞書不掲載→ mustang とgrade に分けて、
引いて考えます.
mustang: [mʌstæŋ] (n) ムスタング
《半野生の馬;小型で米国平原地帯産》
grade: 【畜産】改良雑種
再度Mustang Grade: 推定で「ムスタング種」
reverent or irreverent: うやうやしかろうが不敬だろうが
descriptive: (形) 記述的な
disparaging: <disparage (他) ❶~を軽蔑する、みくびる
❷~をけなす、そしる
eucalyptus: [jù:kəlíptəs]〘植物〙ユーカリ(の木)
mile-long: (1マイル = 1.6km) 1マイルの長さで(の)
* long の前に数字が来て、それがハイフン(-)でつながれ
ると「長さが~(おの数字)の」という意味になります.
a five-feet-long crack in the wall / 長さ5フィートの壁のひび
尚、ハイフンで数詞が形容詞long と連結されると、複数の
力がなくなり、単数形容詞になります.したがって後続の
名詞は単数のままです(crackにはsをつけない、単数形な
ので逆に不定冠詞 a がつく.)
set out: 植える
keep...: from~. ~から...を守る